「脂肪肝」はアルコールやカロリーの多いものを過剰に摂取する人がなる、というイメージがあります。確かに、アルコールの過剰摂取やカロリー過多の食事を続けていると、脂肪肝ができやすくなります。しかし、実は低栄養状態の人でも脂肪肝になる危険性があるのです。人間ドックの血液検査ではアルブミンやグロブリンといった血清タンパク質の量を測り、それを比で表して検査することが多いですが、この時低栄養状態が見つかることがあります。
低栄養状態で脂肪肝になるというとイメージが繋がりにくいかもしれませんが、低栄養による脂肪肝もあります。なぜこうなるかというと、人間の体はブドウ糖不足になった時に体内で糖を作り出す機能が備わっているからです。低炭水化物ダイエットのやり過ぎは筋力低下に繋がり、逆に痩せにくい体を作り出すと言われることがあります。これは体がブドウ糖を作り出すために、筋肉のアミノ酸を使って「糖新生(とうしんせい)」というシステムを行うためです。
つまり、筋肉を消費して糖分を作り出すことです。筋肉量が減るため、割合として脂肪部分が多くなり、低栄養状態にもかかわらず脂肪肝の状態になってしまうということです。低栄養状態の人は低血糖にもなりやすいですが、極端なダイエットからその状態が生じている可能性もあります。自分では普通のダイエットをしていると思っていても、人間ドックで体の異常を指摘されたら、健康のありかたを見直していくことが大切です。
人間ドックで本当に健康な体を手に入れましょう。
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